リア充爆発しろ!ってどんな意味?
2007年にネット流行語大賞にノミネートされ、2011年には女子中高生ケータイ流行語大賞金賞を受賞した「リア充」という言葉。
趣味を日常的に楽しみ、一緒に共感しあえる仲間や恋人もいることで、私生活が充実している人を指しています。
この言葉から派生して生まれたのが、「リア充爆発しろ」です。
「リア充爆発しろ」は、非リア充民が充実している人を揶揄する言葉です。
「自分だけ楽しんでいるなんて、面白くない。リア充民に災いが降りかかれ!」といった意味合いで使われます。
使い方としては、恋人とデートや仲間と旅行したなど他人がうらやむような話を聞かされた時に言います。
うらやましい気持ちも込められている言葉ですが、「そういいことばかりは続かない、そのうち非リア充組の仲間入りするかもよ」といった腹黒い期待も込められています。
また「爆ぜろリア充!」と呪文風に使うことも、同様の用法となります。
もう死語ですか?「リア充爆発しろ」
この「リア充爆発しろ」は、2010年代にインターネットの巨大掲示板である「2ちゃんねる(2017年に5ちゃんねるへと名称変更)」の大学生活の専用スレッドで自然発生した言葉です。
2022年は「Z世代」と呼ばれる2000年~2010年生まれの10代~20代前半の人がSNSを駆使している時代に移り変わりました。
元ネタが発生したころはまだ生まれたばかりの世代が学生となり、コミュニケーションの方法も大きく様変わりしました。
家庭にインターネットが浸透した2000年代初頭の黎明期~発展期と重なる2010年代に流行した言葉は、2020年代には「Wi-Fiの普及」「一人一台スマホ」「ICT時代」などIT技術の進化によって、「リア充」は古い、死語ともいわれるようになりました。
リア充が死語といわれる理由
2020年には新型コロナウイルスの大流行に伴う、緊急事態宣言の発出によって社会活動ができない空白の時間が何度となく生まれました。
その間オンライン授業などの普及によって、だれもがリア充でなくなってしまったこともその理由の一つと言えるでしょう。
2022年夏現在も、私生活をフルに楽しめる環境に戻ったと言い切ることはできません。
また「多様化」という言葉が浸透しつつあります。
簡単に言えば「リア充と、非リア充実」と区別することなく、どんな境遇の人でも互いを認めあう環境に整えようといった内容です。
Z世代の子供たちは多様性について学んできた世代なので、生活の充実度や満足度の違いで相手を揶揄するのはもちろん、自分を卑下することはほぼありません。
結果的に「リア充」という言葉はほぼすたれたとみてよいでしょう。
「陽キャ」とも似て非なる
Z世代の学生たちは「リア充爆発しろ」という言葉は使わず、「陰キャ、陽キャ」という言葉を使っています。
わかりやすく言えば、内向的な子と社交的な子を区別するための言葉となります。
人の輪の中心にいつもいる存在を「陽キャ」といい、群れを嫌い一人で行動することを好む人を「陰キャ」と分けることもあるようです。
「陽気なキャラクター」「陰気なキャラクター」というように、コミュニティで自分自身を演じることが上手なZ世代に欠かせない言葉となりました。
リア充は、陽キャという言葉に置き換わったといわれることがありますが、似て非なる言葉です。
陽キャでも必ずしも私生活が充実しているとは限らないからです。
恋人がほしいから陽キャを演じる、陰キャ認定を受けたくないから無理に陽キャを演じているというように、個人のキャラクター演出を指す言葉だと認識するとわかりやすいでしょう。
言葉の違いが分かりにくいのですが、リア充という言葉が流行したリーマンショックによる世界的な不況以前の時代とは、生活環境も大きく変わっていると結論づけると納得できます。
もちろん、陰キャでも自分の立ち位置を確立させ、私生活を充実させている人もいます。
陽キャでも自宅に帰れば、自分の居場所がないと悩む人も見られます。生活環境も多様化しているため、「リア充/非リア充」でくくることができなくなっているのも事実です。
2020年代は「個」の時代
2020年代は新型コロナウイルスの流行に始まり、インターネットを介してゲーミング技術を競うeスポーツや、スケートボードやダンスなどの個人競技などが注目される時代に突入しました。
「リア充爆発しろ!」が流行した時代はインターネットに接続しパソコンに張り付いている人や、一日中ゲームに興じている人は非難を受けることが多かったのですが、今はその人の得意なこととして伸ばす工夫がなされています。
いわゆる「個」がクローズアップされる時代となりました。
それぞれに充実させているポイントが異なることも認められる世の中に変わったので、「爆発しろ」と揶揄する必要もなくなったといえるでしょう。
リア充の基本や定義については、「リア充の意味や定義・条件・略語。時代と共に変化していった流行の歴史について」の記事でまとめています。
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